AnacondaとはPythonの実行環境の1つのことで、Pythonを使えるようにするときに最もよく用いられる環境構築の方法と言えます。というのもAnaconda1つで機械学習やデータサイエンスでよく用いられるライブラリをまとめてインストールすることができ、特にJupyterNotebookという開発環境が同時に使えるようになるのですが、これが非常に便利だからです。
もちろんPythonだけをインストールした後に、Visual studio codeなどのエディタを用いても良いのですが、初心者がPythonをインストールして使えるようにするにはこちらが圧倒的にお勧めですし、多くの機械学習系の本ではこの方法を紹介しています。
以下Windowsでのインストールをメインに扱いますが、Macでもほぼ同様にインストールできます。
インストール方法
まずは以下のAnacondaの公式ページからインストーラーをダウンロードします。

サイト上に真っ先に出てくる「Download」ボタンを押せば、最新版のダウンロードが開始されます。
※Pythonのバージョンは3系が最新ですが、昔から使われてきた2系のコードが紹介されている本やサイトもあり、それに合わせてあえて古いものを使いたい場合は、次のリンクからダウンロードできます。
https://repo.anaconda.com/archive/
インストーラーを起動したらSetUp画面が開くのでNextをクリックします。

「I Agree」を押してライセンスに同意します。

Anacondaを使用できるPCのユーザーを選択します。自分のみ使う場合は「Just me」を、他のユーザーでも使用する場合は「All users」を選択し、Nextをクリックします。

インストールするフォルダを選択してNextをクリックします。インストール場所は特にこだわりがなければ、初めから表示されている場所にインストールするのが良いと思います。

次にオプションを設定します。
「Add Anaconda3 to my PATH environment variable」は非推奨(Not recommended)と書かれていますが、初めてインストールする場合にはチェックを入れておくことをお勧めします。
※ここにチェックを入れなくてもJupyterNotebookなどの開発環境は使えるのですが、チェックを入れておかないと、コマンドプロントなどでPythonを動かそうとしたときに「python」とだけコード入力してもPythonが起動してくれません。後からWindows内でpathを通しても良いのですが結構面倒です。Pathの通し方について詳しくは以下の記事を参考にしてください。
パスの通し方(Anaconda環境、python)
以前にPythonをインストールしたことのある方は、Anacondaが優先される設定になるので、適宜自身の環境に合わせて設定してください。
「Register Anaconda3 as my default Python」にチェックを入れるとデフォルトのPythonがAnacondaに設定されます。こだわりがなければチェックを入れたままで先にすすみましょう。

「install」ボタンを押せばインストールが開始されます。
しばらく待ってインストールが完了したら、後は指示通りNextボタンを押していけばインストールは完了です。

Anacondaを起動してみる
インストールが完了したらAnacondaを開いたり、JupyterNotebook を起動してみましょう。
スタートメニューからAnacondaのフォルダを開いて「Anaconda Navigator」をクリックします。以下の画像のようにウィンドウが開けばきちんとインストール成功です。


ここに表示されている「Jupyter Notebook」というものを起動してみましょう。これを使って、多くの人がPythonのコードを書いています。
「Launch」でJupyter Notebook起動したら、「New」を選択して「Python3(ipykernel)」をクリックします。

するとウェブブラウザでJupyter Notebookが起動します。
例えば 1+1 などの適当な計算式を入力して、Ctrl+Enter (またはshift+ Enter)で計算結果が返されれば、きちんとPythonが動いていることが分かります。

Jupyter Notebookについて
Jupyter Notebookではコマンドプロントやpowershell上などで扱う場合と異なり、コードを1つずつ確かめながら実行することが可能で、非常に扱いやすいツールとなっています。
独学でPythonや機械学習を勉強しようとする人に意外と多いのが、Jupyter Notebookのことを知らずに勉強を進めようとしている事です。例えば深層学習の本で有名な「ゼロから作るディープラーニング」ではAnacondaをインストールするところまでは紹介されていますが、コードはコマンドプロントで書くように書かれています。実際に長いコードをコマンドプロントだけで色々といじるのは現実的ではありません。
また上のPATHを導入するかどうかでも少し書きましたが、Pathも通さずにコマンドプロントでPythonをいじるなんてのは面倒でしかありませんし、このあたりの環境構築で時間を費やす方が非常に多いです。(自分もこのことで非常に苦労しました。)
確かにPythonで書いたコードを保存して、それを自作のモジュール(関数などの定義の集まり)として使うには、Jupyter Notebookファイルの拡張子である「.ipynb」ではなく、「.py」という拡張子を使用するので、その際はコマンドプロントで動くように書いておくか、Visual Studio Code や Atom などのエディタで書くことになるのですが。。。
実際には現在ではJupyterNotebookでPythonを動かしたりコードをいじったりすることが主流だと思いますので、このJupyterNotebookをぜひ活用してください。
また最近ではGoogle Colaboratoryという Google が無料で提供しているPythonの実行環境もあります。こちらはGoogleのサーバーを用いてクラウド上でPythonを動かすことができます。ここでもJupyterNotebookがベースとなっており、ファイルは同じ「.ipynb」という拡張子が用いられます。このGoogle Colaboratory も便利なツールですのでおすすめしておきます。
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