この記事ではMacにTeXをインストールする方法を紹介します。
MacTeXについて
まずMac にTeXをインストールするにはいくつかの方法があります。
主にMacTeXをインストールするか、TeX Live をそのままインストールするかの2択です。
この記事ではMacTeXによるインストール方法を説明します。
MacTeXはTeX Liveをベースに作ったMac専用のディストリビューションで、TeX Live以外にgohstscriptやtexshop（mac専用のTeXエディタ）なども同時にインストールできます。公式サイトではMac Tex をインストールするように推奨されているので、特にこだわりがなければMac TeXをインストールしましょう。
公式サイト：https://tug.org/texlive/
MacTexについての公式の解説：https://tug.org/mactex/
Mactexは必要な環境を簡単に構築できるように作られています。細かいことを考えなくても簡単にインストールできるので、特にPC初心者にはおすすめです。
注意としては、MacTeXを一度インストールすると完全なアンインストールが困難であることが挙げられます。gohstscript関連のシステムで競合が起こった際に、対処するのがやっかいだったりするらしく、PC上級者の方はあえてTeX Liveを選択する方もいるようです。ただ、私も長年MacでTeXを動かしていますが、少なくともMacTeXが原因で困ったことは1度もありませんでしたし、過度に心配する必要はない気がします。MacTeXの注意点をもう少し詳しく知りたい方は以下のサイトが参考になります。
参考：MacTeX をおすすめできる場合とそうでない場合
MacTeXのインストール手順
公式サイトのダウンロードページから、「MacTeX.pkg.」をクリックしてインストーラをダウンロードします。ネット環境にもよりますが、５GB以上あるので時間はかかります。
ダウンロードページ：https://tug.org/mactex/mactex-download.html
MacTex.pkgを起動してインストールを開始します。
あとはインストーラの流れに従ってインストールするだけ。すぐにTeXが使えるようになります。
流れに沿って「続ける」をクリックしていきます。
PCの空き容量を確認して「インストール」をクリック。
完了したら「閉じる」を押してインストーラを閉じます。
LaunchpadにTeXShopなどのアイコンが表示されていればインストール成功です。
動かし方とTeXShopの日本語設定
まずは何はともあれ動かしてみましょう。
Launchpadから「TeXShop」（Mac専用のTeXエディタ）を開きます。
以下のように入力して「タイプセット」をクリックしてみましょう。
\documentclass[10pt,a4paper]{article}
\begin{document}
I have installed MacTeX
\end{document}
補足：エディタ内の文字が小さければ「⌘+=」で拡大、「⌘+-」で縮小できます。
保存先が表示されるので、適当な場所を選んで「保存」をクリックします。
PDFビューワが開いて、きちんと文字が表示されていれば問題なくインストールされています。
日本語設定について
英語であればこれで上手くいきますが、デフォルトの設定のままで、以下のように日本語を入れてタイプセットするとエラーが起きます。
\documentclass[10pt,a4paper]{article}
\begin{document}
MacTeXをインストールしました。
\end{document}
「LaTeX Error: Unicode character を (U+3092) not set up for use with LateX」と出ます。
LaTeXにはいくつかの種類があり、日本語を用いる場合は、日本語に対応したものをタイプセットに用いなければなりません。
TeXShopの環境設定を開いて（画面上部の「TeXShop」→「設定」で開けます）、
「設定プロファイル」から「pTeX(ptex2pdf)」を選択して、「OK」をクリック。
もう一度タイプセットすれば日本語も正しく表示されるはずです。
(これで日本設定が上手くいかない場合は、アプリを再起動するなどしてみてください)
TeXのおすすめエディタ
TeXにはTeXShop以外にも色々と便利なエディタ（統合環境）があります。TeXShopよりも使い勝手の良いエディタもたくさんあるので、そういったものもインストールして使うのがおすすめです。
個人的なおすすめは「TeXmaker」と「TeXstudio」の２つです。
（元々TeXstudio はTeXmaker から派生したエディタなので、この２つはよく似ています。）
TeXmaker公式サイト：https://www.xm1math.net/texmaker/
TeXstudio公式サイト：https://www.texstudio.org
この２つのエディタには次のような利点があります。
- Latexコマンドの多くがエディタに登録されている。
コマンドを忘れてもわざわざネットで検索したり、本を開いたりする必要がありません - ショートカットキーやマクロを設定できる。
よく使う長いコマンドなどは設定しておくと入力が楽になります。 - 画像の挿入もドラッグ&ドロップでできる。
他にも便利な機能が色々と付いています。TeXstudioならM1チップでも動作するので、私はTeXstudioを愛用しています。TeXmakerの方もrosetta2を使えば動くとのこと（2024年3月現在）。
ちなみにLaTeXエディタでよく起こる問題が日本語設定なのですが、TeXstudioの日本語設定は以下の記事で解説しておきました。
詳しくはこちら：TeXstudio日本語設定（MacでもOK）
TeX初心者の方は、まずコマンドを覚えるのに苦労したりするので、TeXshopを使っているよりは、これらのTeXエディタを用いた方が便利だと思います。
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