Paragon software の「Microsoft NTFS for Mac」(以下、NTFS for Mac)のインストール手順についてまとめる。
特に、システム機能拡張を有効にする際に、起動セキュリティユーティリティからカーネル機能拡張などを有効にする必要があり、その設定が多少やっかい。その設定方法などを覚え書きしておく。
NTFS for Mac とは
WindowsのファイルシステムであるNTFSでフォーマットされたUSBメモリやHDDは、Macだと読み取りはできても書き込みができない。「NTFS for Mac」 は MacでもNTFS形式のHDDが読み書きできるソフト(一応人気らしい?)。ちなみに Paragon software というドイツのシステムユーティリティなどを開発している会社の製品。
他にも同様のソフトはいくつかあるが、Paragon software社の NTFS for Mac を使用するメリット・デメリットは次の通り。
メリット
- 多くの無料版のソフトと比較して、書き込みだけでなく、編集も行えるのが優れている点。例えば、WordファイルなどをNTFS形式のHDDに保存している状態で、そのWordソフトを編集し上書き保存することができる。
- 高速化されている。自分では確かめたことはないが、他のアプリと比較してデータ転送などの速度が速いらしい。
- M1・M2といった Appleシリコンや最新の Sonoma などの macOS でも動作する。
デメリット
- 有料。NTFSを読み書きできる無料のアプリも複数ある
- Macのセキュリティレベルを下げても大丈夫か。
インストール手順のところで書きますが、このアプリをインストールする際に、復旧用環境から起動セキュリティユーティリティ起動してMacを「低セキュリティ」に設定する必要がある。Macのセキュリティを高く保ちたい方は他のアプリを検討した方がよいかも?(他のソフトでこれが必要ないかまでは確認していません。)
【追記】結論からいうと、「低セキュリティ」に設定してもさほど問題はなさそう(以下の「セキュリティ設定について」を参照)
他の方の意見(参考サイト)
MacでNTFS使うのに結局Microsoft NTFS for Macに落ち着いた話
↑NTFS for Mac の利点について色々
EaseUS NTFS For Macレビュー|MacでWindowsのNTFSドライブを読み書きできるソフト
↑他のソフトとの比較について書かれている
セキュリティ設定について
このセキュリティレベルを下げる作業が必要になったのは、M1チップなどのAppleシリコンがMacに採用されてからで、Appleが挙動を把握していないソフトは、デフォルトの設定でインストールできないようになった。
なので、このアプリに限らず、システム拡張機能を利用する全てのサードパーティ制ソフトは「低セキュリティ」設定でないと使えなくなった。M1チップになってから、この設定が必要になったソフトは割と多い。ちなみに、M1チップ以前は、平気で使えていたソフトが、このセキュリティの問題でM1チップ以降、全く使えない状態になったものもあるそう(SoundFlowerとか)。
Intelチップのときには、これほど高いセキュリティだったわけでもないので、この設定をしても特に問題はないと考えてよいと思います(自己責任でお願いします)。
参考サイト:今更聞けない初期設定- M1 macセキュリティブロックの外し方
参考サイト:艦これの録画;M1搭載MacBookAirで一番気にかかっていた事
インストールの手順と注意点
インストーラの取得・実行
インストーラを公式サイトからダウンロード。購入する前に10日間、無料で体験できるので、それがおすすめ。
公式サイト:https://www.paragon-software.com/jp/home/ntfs-mac
インストーラを起動したら、左にある「インストールNTFS for Mac」をダブルクリックしてインストールを開始する。
インストールする際に注意したいのが、冒頭でも書いた通り、起動セキュリティユーティリティからカーネル機能拡張などを有効にする必要がある。これをきちんと行わないとアプリが利用できない。
ちなみに、公式サイトにも動画が上がっているので参考になる。
システム拡張を有効にする
通常通りインストールすると「Paragon Software GmbHのシステムソフトウェアを許可」という以下のようなウィンドウが表示されるので、「システム拡張を有効にする」をクリックする。
「サードパーティ製システム機能拡張インストールの許可」の解説が開く。
指示通りに行う。
システム環境設定 → プライバシーとセキュリティ
→ 「システム環境設定を有効にする」をクリック
すると「システム機能拡張を有効にするには、復旧用環境でセキュリティ設定を変更してください」と表示されるので、一旦システムを終了(PCをシャットダウン)する。
システムを終了したら、復旧環境で起動してセキュリティ設定を変更します。
補足:起動セキュリティユーティリティの起動方法について、詳しくはAppleの公式サイトを参照
Appleの公式サイトでの解説:https://support.apple.com/ja-jp/guide/mac-help/mchl768f7291/mac
(Macのバージョンが違うときは別のページを見た方がよいかも)
「起動オプションを読み込み中」と表示されるまで電源ボタンを長押し
↓
「オプション」をクリックしてから続けるを「クリック」
↓
ユーザーを選択して「次へ」をクリック。パスワードを入力してログイン
↓
画面左上の「ユーティリティ」から「起動セキュリティユーティリティ」をクリック
↓
ウィンドウが出たら「セキュリティポリシー」ボタンをクリック
「Macintosh HD のセキュリティポリシー」というウィンドウが開く。
デフォルトでは「完全なセキュリティ」が選択されている。
「低セキュリティ」を選択し、
「上の確認済みの開発元から提供されたカーネル拡張のユーザ管理を許可」にチェックを入れる。
「OK」を押して、PCを再起動する。
残りの設定
再起動すると、自動でNTFS for Mac が自動で立ち上がるので残りの設定をする。
残りはアプリの指示通りに実行すれば特に問題は起きない。
最後まで設定が終わると以下のように、正しくアプリが起動します。
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