大学教員公募の面接では質問される内容も小中高の教員とは異なりますし、どういったことを聞かれるかという情報もあまり転がっていません。面接の対策をしようにもなかなか苦労します。そこでこれから面接を受けるという方のために、私が参加してきた面接で聞かれた内容をここにまとめておきます。大学教員への道は狭き門ですが、面接に呼ばれれば採用まであと少し。このページに飛んできた方々も頑張ってください。
初めに聞かれる質問
〇自己紹介をお願いします。
〇応募してきた動機を教えて下さい。
一般社会の面接でもそうですが、この辺りは面接の初めにどちらかを必ず聞かれます。しっかり準備をして、もたつかずに話せるようになっておきたいところです。大学教員の応募なんて普通はJrec-inに出ている公募に手当たり次第応募しますから、動機なんてのは正直なところ「手当たり次第応募しているだけです」と答えたいところですが、これは口が裂けても言えないので、それなりな解答を用意しておきましょう。
〇(〜〜学部で働くことに対する)抱負を述べてください
これもよく聞かれるのできちんと準備しておきたいです。私のような専門が数学の場合は、数学科が無く工学部や薬学部などがメインの大学でも、教養・基礎科目を教えるための教員として配置されることがあります。そのため、数学を専門としない特定の学部で教える際の抱負を聞いてくるパターンもあります。
〇自己PRをしてください。
これはあまり聞かれたことがありませんが、このパターンの解答も用意しておいた方が無難なように思います。
研究関連の質問
◯研究実績と今後の研究のことについて説明してください。
〇××(研究分野名)とは何か説明してください。
◯その研究のおもしろいところを説明してください
このあたりは素人にもある程度分かる様に分かりやすく説明できるようにしておきたいです。履歴書や業績書に書いた研究分野やキーワードについて、説明を求められることもあります。分野外の研究者ともアカデミックなコミュニケーションが取れるようになっておきたいところです。
あとは面接の際に研究内容のプレゼンを用意させるところでは、自身の研究について専門的な質問を受けると思います。そのあたりは普段の学会でも質問されるような事も聞かれますが、面接の場合は分野外の先生からも質問されます。
教育関連の質問
教育に力を入れている私立大学などでは、研究のことより教育のことを根掘り葉掘り聞いてきます。
〇過去の授業の中でどのような工夫をしたか
講義経験がある場合には必ず聞かれます。気をつけたいのが、類似の質問を何度も聞き方を変えて聞いてくることがあるということです。「なんだかさっきの人と同じ様な事聞いてませんか^^;」って思うことがあります。同じ事を繰り返し答えたりするのを避けるために、3パターンほど解答を用意しておくといいかもしれません。
あとは講義のやり方に関する質問を列挙しておきます。
〇レベルの異なる生徒がいるなかでどのように授業をしましたか。or どのように授業をしますか
〇うちは100分授業なんだけど講師が100分間ずっとしゃべりっぱなしというのは苦痛すぎる。その点どのように授業を工夫しようと思うか。
〇そのような講義を△△大や××大でもやっているのですか
(模擬授業の後などによく聞かれます)
〇教育経験がないが大勢の前で授業をするのは初めてか。
(講義経験がないときに聞かれました。塾講師の経験などがあれば答えておきましょう)
〇オンライン授業(動画を用いた授業)になると思うが大丈夫か。
高専で聞かれた質問
高等専門学校では高校生と同じ年代の学生もいるため、大学より幅広い質問が飛んできます。特に、場面指導に関する質問はなかなか答えるのが難しかったりします。私はこれをほぼ準備しないで面接に挑んだ結果、グダグダになってしまったことがありました。小中高向けの教員採用試験の面接対策本などを参考にするといいかもしれません。
◯保護者がうちの子供がいじめられているがしれないと言ってきた。だか学生はこれが自分のキャラでイジラレているだけだからいいんだと言っている。どのように対応しますか。
◯学生はふざけているだけのつもりのようだが、いじめにも見えるような事をしているときどうするか
高専もいじめには敏感なようで、よく聞かれます。いじめと判断するかどうかが難しい場面での対応力を見られる質問です。
◯研究と教育のバランスをどうとりたいか。
高専教員はなかなか研究ができないといった背景があって、このあたりは実際に働いている先生方も悩みの種なのかもしれません。
◯勉強ができる子もいれば出来ない子もいる。高専には中学から上がってきた子もいれば大学生くらいの学生もいる。中学では50分授業だったのがいきなり90分になったりもする。幅のある学生がいるけどどう工夫したら上手くいくと思いますか
◯学生とコミュニケーションを取るのは好きか。学生とのコミュニケーションで気をつけたいことは何ですか。
◯寮についてどう思っているか。寮で夜勤があるけど大丈夫か。
〇担任制度があるけど大丈夫か
◯ついていけなくなって授業に出なくなったり、寝てしまう学生はどう対応するか
◯部活動などはどんなことを担当できるか
◯高専のイメージはどんなものですか
◯なかなか勉強についていけないと相談してきた学生がいます。どのように対応しますか。
その他の質問
◯大学院で大学を変えたのは何故か。
◯非常勤先の大学を変えたのは何故か。
自身の履歴書で、学部から大学院、修士課程から博士課程、など進学先の大学が変わっている人は時々聞かれると思います。私の場合、非常勤先の大学も半期で他大学に変えていた(非常勤の場合は相手の大学の都合でよくあることなのですが)ので、「なぜ非常勤先の大学を変えたのか」というのも聞かれました。一般社会の転職でもそうですが、このあたりをポジティブに答えられないと、指導教員などの人間関係に問題があったのではないか、などと心配される可能性があるみたいです。
◯最後に何か質問はありますか
面接の最後に聞かれることがあります。「特にありません」と答えるより、一般社会の面接などでもここで逆質問をして積極性をアピールしたいところらしいです。
最後になりますが、一般社会の面接と同じ様に、自分が応募書類に書いた内容に関しては、面接の際に色々聞かれる可能性が高いです。「書類に書いた内容が嘘でなければスラスラと答えられるはず」と面接官は思っているそうなので、自分が書いた応募書類は面接の前に一度確認し、それについてスムーズに答えられるようにしておきたい。
参考記事
このサイト以外でも、大学教員公募の面接でどんなことを聞かれたのかを書いてくれいているサイトがあります。私が面接に挑む際にも参考にさせてもらいました。
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