\(q\)-戸田系に関して
\(G\) を\(\mathbb{C}\)上の単連結な単純リー群とする. \(G\)上のLaplace作用素のWhittaker 関数への制限は量子戸田ハミルトニアンになっている(KazhdanとKostantによる70年代の発見)これによって量子戸田系に対するKostantの可積分性定理(Kostant’s integrability theorem)を簡単に証明することができる. (\(G\)の高階のカシミール元のWhittaker関数への制限)
この手法をアフィン Kac-Moody Lie 群\(\hat{G}\)に拡張できる. それに対応するものが量子アフィン 戸田ハミルトニアンである.
この流れは\(q\)-変形しても同様に成り立っており, (アフィン )量子群に置き換えたときに対応するものを(アフィン )\(q\)-戸田系や, 差分版の量子戸田系(quantum difference Toda)などと呼ぶ.
(先に戸田系の差分版がどこかで与えられていて, それに一致しているということなのかはよく確認していない. [Et]のSection3とSection4の最後には、それらしき差分作用素 \(\mathcal{M}_i^K\)(ハミルトニアンの\(q\)-変形)が書かれていて, 「これを\(q\)-deformed (affine) Toda systemと呼ぶ」と書かれている. )
A型の\(q\)-変形量子戸田系(q-deformed quantum toda system)は相対論的量子戸田系(quantum relativistic Toda system)と同値。[Et, Section 6]
\(q\)-戸田作用素の固有関数を戸田関数と呼ぶことにするが, [FFJMM]にはA型からD型までの\(q\)-戸田関数の差分関係式が書かれている. ここから読み取れる差分作用素が\(q\)-戸田作用素. [FFJMM]ではフェルミオン公式(fermionic formula)という\(q\)-戸田関数の明示公式が与えられている.
\(q\)-戸田はMacdonald系の極限として得ることもできる. Macdonaldは\(q, t\)の2つをパラメータに持っているが, 極限\(t \rightarrow 0\)を考えると現れる.
\(q\)-戸田系は他にも旗多様体の量子コホモロジーやDemazure加群の指標との関係もある. [FFJMM, Introduction]
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